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実際の救命事例から学ぼう!

AEDによる救急救命の実践的な情報を提供していく本コーナー。それなら実例に勝るものはなし! ということで、今回は「ドラッグストア アカカベ」様の事例から、救命のためのポイントを探っていくことにしましょう。

ドラッグストア店長が市民を救命!

講習を受けていたことで迷わず対処

店舗入口のAEDのマーク

店舗の外からわかるよう、目立つ位置にAEDのマークを掲げている

2012年、オムロン ヘルスケアがAEDの販売を開始したまさにその年に、「ドラッグストア アカカベ」様は安心・安全を提供する地元密着のドラッグストアとして、地域貢献の意味も込めて全店にAEDを設置しました。さらに、従業員への救命講習を全店にて実施することで、いざというときも迅速にAEDを使用し、心停止を起こした市民を救命する、という意識づけを行っています。
今回は、そんな「ドラッグストア アカカベ」様の店舗で発生した、救急救命事例をご紹介しましょう。

今回の経緯

2017年6月某日の午後、東大阪市内の店舗に、60代の女性を抱えた警備員がやってきた。
女性はひどく苦しそうで、けいれんを起こしているようにも見えたが、床に寝かせると弱いながらも呼吸はあり、いびきをかいて寝ているように思えた。ところが、しばらく女性を見守っていると、体がどんどん冷たくなり、目を見開いて、顔色は紫になっていった。そこで、改めて容態を確認したところ、呼吸をしていない様子だった。店長は、「これはおかしい」と感じ、すぐさま胸骨圧迫(心臓マッサージ)を開始。同時に周囲の人に119番通報するよう促した。

従業員の一人が119番に電話すると、「AEDを使うように」との指示があった。その従業員はAEDがレジの後ろにあることを覚えていたので、すぐに取ってきて店長に渡した。店長は実際にAEDを使うのは初めてだったが、以前に講習を受けていたので、習ったとおりにAEDの電源を入れ、音声ガイダンスの指示に従った。AEDの音声による指示はわかりやすかったが、初めての体験で手が震え、除細動パッドからシートがうまくはがせない。さらに、胸骨圧迫もやめられないため、パートさんにシートをはがしてもらってから、パッドの表示どおりに胸とわき腹に貼り付けた。AEDが心電図解析後、音声ガイドで電気ショックボタンを押すよう指示があったので、意を決してショックボタンを押した。

一瞬、電気ショックで女性の息が回復したように見えた。それでもAEDの指示に従って胸骨圧迫を再開したところで救急車が到着。救急隊員から、そのまま胸骨圧迫を続けるようにと指示されたので、みんなで交代しながら続けた。その後も2度ほど電気ショックが与えられたのち、女性は病院に搬送された。結果的に倒れた女性の意識は回復し、無事に退院となった。
AEDの指示があったため、店長は迷わず胸骨圧迫を続けられたが、やはりショックボタンを押すのは勇気が必要だった。AEDを一度取り付けたら、救急隊員の指示があるまで電源を切らないパッドをはがさないと講習会で教わったことが、改めて大切であると認識したという。

ポイントは「最後までAEDをはずさない」こと!

感謝状授与

今回の救命に多大な貢献をしたとして、消防署長から「感謝状」が授与された

こうした懸命の救助活動によって、無事に尊い命が救われました。これも、皆さんの適切な対処があってのこと。今回の事例で学べたのは、「最後までAEDをはずさないことが大切」ということです。
途中、電気ショックで「女性の息が回復したように見えた」場面がありましたが、実際に回復していないのに、そこで胸骨圧迫をやめてしまっていたら……? そのまま女性の命は途切れていたかもしれません。素人目には、傷病者が息をしているように見える「死戦期呼吸」と呼ばれる状態もあるため、心電図を測定して胸骨圧迫が必要か判断してくれるAEDの指示に従うことは大切です。今回救急救命の処置を行った皆さんは、きちんと講習会で学んだことを守り、「最後までAEDをはずさない」で救命活動を続けたため、こうして無事に救助できたのでしょう。

事故から4カ月後、女性が無事に退院されたことを受け、勇気をもって救命にあたった店長以下4名に、東大阪市西消防署長から「感謝状」が授与されました。さらに、アカカベ様社内においても「社長賞」が授与されたそうです。
アカカベ様は2018年4月に、軽量コンパクトなオムロンのAED「HDF-3500」を全店に入れ替え導入したうえで、改めて救命講習会も実施しています。地域へ安心・安全の提供を目指してAEDの設置、救命訓練を実施してきた結果、尊い命を救うことができたと、社内で再認識されたといいます。
やはり、いざというときに備え、普段からの啓発・訓練が大切だということを強く感じた出来事でした。

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