私たちにできること

参加しよう

「京都マラソン2019」に行ってきました!

今回の「参加しよう」は、「京都マラソン2019」です。今年もオムロンはゴールドパートナーとして協賛。130台のAEDを貸し出し、前日には救急救命講座などを行っています。さあ今年はどんな大会になったのでしょうか?

事故を未然に防ぐため、誰にでもできることとは?

スタート地点から万全の救護体制

号砲とともに、ランナーの皆さんが一斉にスタート!

今年で3回目となる京都マラソン取材。今年は昨年よりもさらに深く大会の裏側、救護体制を支える皆さんの活動を探ってみたいと思います。

大会前日の2月16日、今年もゴール地点の平安神宮すぐそばにあるランナーの受付会場「みやこめっせ」で、大会を盛り上げるためのイベントが行われていました。会場では、ゼッケンの配布などの大会受付、栄養食や防寒着などのアイテム販売、京都マラソンに関する展示、各種イベントなどが盛りだくさん。そんななか、京都橘大学の夏目美樹先生によるボランティアのための救命教室も開催されました。これは、救護ボランティアになるために必要なものなのですが、詳しくは最後のコラム「ここにも注目!」をご覧ください。

多くの人で賑わった前日のイベントも終了し、いよいよ大会当日を迎えました。気になる当日の天気は、今年も見事に晴れ。スタートの西京極陸上競技場で会場アナウンスをしていたDJの谷口キヨコさんも「京都マラソンは本当に毎年いいお天気」と驚くほど。その谷口さん、スタート前に「Aブロック~!」とコール&レスポンスを促すと、ランナーの皆さんも「オーッ!」と大きな声で返します。こんなやりとりが数回繰り返され、会場は盛り上がってきました。まず8時55分に車いす競技がスタート。そして、ついにフルマラソン・ペア駅伝のスタート時刻である9時になりました。門川大作京都市長がスタート合図の号砲を鳴らすと、元マラソン選手の千葉真子さんや、女優の本田望結さんら応援大使の皆さんに見送られ、元気にスタートしていきます。

救護室だけでなく、ハイパーアンビュランスまで!

ランナーを見送ったあと、今回はスタート地点の救護体制について見せていただきました。救護室となっている競技場の建物の一室にお邪魔させていただくと、ドクターと看護師さんがいらっしゃいました。室内にはちゃんとAEDも設置されています。とはいえ、走る前から倒れるという人なんていないのでは? と疑問に思い尋ねると、確かにランナーの傷病者というのはほとんどいないが、観客がすべてランナー並みに健康とは限らないとのお答えで、なるほどと納得。たとえば、ご高齢の方でお孫さんの勇姿を見に来たというケースもありますよね。そんなところまで配慮されているとは、さすがです。

さあ、次のポイントへ向かおうと競技場を出たところ、すぐそばに「高度救急救護車(ハイパーアンビュランス)」を見つけました。この救護車はテロなどが発生したときにも対応できる特別車で、横に大きくせり出した「救護所」と書かれている部分は、患者を収容できるベッドスペースとなっています。何か事態が起きたときには、ここで緊急処置を行えるとのこと。一度に8名を収容できるそうです。すごいですね。このせり出し部分は折りたたみ可能で、たたむと大型バスほどの大きさで移動できます。これだけの設備が整っていれば、何かあっても大丈夫。安心してスタート地点をあとにします。

開始前の打ち合わせで、夏目先生が救護サポーターに注意点を伝える

去年までは、ランナーを追いかけるようにコースをたどっていたのですが、今年はいきなりゴール地点に行ってみようと思います。まだランナーが帰ってくる前の救護体制を見ておこうと思ったからです。ゴール地点の平安神宮に着いた時点ではまだ観客はまばら。帰ってくるランナーを待つ人たちもゆったりと落ち着いているように見えます。その一方、運営側の方たちはせわしなく動いていました。ゴール付近の救護サポーターの一部は、看護師の方のほか、看護学生などから構成されており、コラムでもご紹介する夏目先生が取りまとめてらっしゃいました。その夏目先生がミーティングであげられたのは、

  • 必ず2人で行動し、何かあれば1人は現場に必ず残る
  • 寝ている人には必ず声をかける(心停止の可能性があるため)
  • 座っている人がいたら積極的に声をかけ、暖房のある場所に案内する

などの注意点。とくに、「声をかける」ことは、ランナーの様子を確認でき、症状がひどくなる前に救護が可能になるため、事故防止にとても重要だということが理解できました。

救護所の様子。ランナーが戻ってくる前に準備を終えるため忙しそうだった。もちろん、オムロンのAEDも設置

その後訪れたのは、ゴール後の荷物引き渡し所近くに設置された救護所。テントの中には、ベッドが設置されており、ゴール後に具合が悪くなった人に対処できるようになっています。屋外に設置されたテントですが、ストーブが入っているため、寒くはありません。実はこちらは女性の救護所ということで、担当されていた方5名はすべて女性でした。男性の救護所は、「みやこめっせ」にあるということで、そちらもチェックしてみます。伺ったときは、ゴールしてくるランナーに備えてちょうど最後の打ち合わせ中。今後の動きなどを確認されていました。お忙しいなか、現場を仕切られていた方にお話を伺うと、例年50名ほど運ばれてくるとのこと。ただし、とくに重篤な事態になることは少なく、去年はお1人救急車で搬送されたそうですが、意識もあり、大事には至らなかったそうです。一番多いのは、やはり足に痛みやけいれんなどを訴える人で、歩けなくなってここにくるのだとか。あとは、その日の天候が大きく影響しますが、低体温症などで動けなくなる人もいるとのことでした。今年も大きな事故がなく終わるといいですね。

さて、そんなお話を伺っている間に、早くも先頭集団がゴールに近づいていました。おそらくあと20分ほどで到着するだろうとのことなので、ゴール付近で待ち構えることにします。ゴール近くにあるブースでは、元マラソンランナーの千葉真子さんが大会のタイムなどを解説中。この時間だと、「大会新記録も狙えますよ」、とのこと。さらに、今年は大会新記録になんと30万円もの賞金が出るということで、がぜん盛り上がります。すると、ついに「見えた!」と最後の直線を疾走する姿が。千葉県松戸市から参加した丸山さんがぶっちぎり! 結果、これまでの記録を7分ほども上回る、2時間16分27秒の大会新記録でゴールイン! おめでとうございます。無事に素晴らしいゴールを見ることができたので、今度はコースを遡って応援しつつ、引き続き救護体制を見て回ることにします。

沿道からの声援も救護活動?

沿道でランナーに声をかける救護サポーター

ゴール地点から鴨川を遡った丸太町通りの先、荒神橋のすぐそばには、荒神橋救護所がありました。この救護所は、河川敷に設置されたテントにベッドなどを置いたものですが、ほかと同様、ストーブが備えられており寒さは感じません。入り口では、救護スタッフの皆さんが現在の状況を確認するため、打ち合わせをしていました。ここは河川敷の救護所のなかでも、比較的大きな施設で、たくさんの方が活動しています。なかでも気になったのは、施設外でランナーに声をかけている方が5~6人もいたこと。一見、救護活動は大丈夫かな? と思ってしまいそうですが、実は危険な状態のランナーがいないかのチェックも兼ねているそうです。「ゴールまであと少し!」と思うと、多少の無理をしてしまいがち。それを冷静に見極めるのが医療スタッフの役目というわけです。また、身体に異常のない方にとっても、沿道からの声は励みになります。気持ちがくじけて、急に具合が悪くなるという人もなかにはいますから、それを防ぐためにもこうした声かけはやはり重要なようです。これも立派な救護活動というわけですね。ここでもとくに重篤な方はいなかったということなので、安心してほかを見て回ります。

真剣な眼差しでランナーを見つめる消防隊員。足下にはもちろん、オムロンのAED!

河川敷から市内の道路を走るコースに向かう途中、「AED」の旗を挿した消防隊員の方を見つけました。足元には……やはりありました、オムロンのAED! 何かあればすぐに救助できるように、訓練を受けたプロの目がコースを走るランナーを見つめています。仕事とはいえ、人命にかかわることでずっと神経を集中させて立っているのは、42kmを走るランナーと同じくらい大変なことでしょう。このほか、沿道にはAEDを持って自転車で待機する移動救護サポーターもいました。大きく「AED」と書かれたリュックを背負っており、いざというときはその機動力ですぐに駆けつけられるのがポイントです。

ゴール付近で倒れこむ人と、すぐに駆けつける救護サポーター

このような「何が起きてもすぐに対処できる」体制がそこかしこで取られていることを確認できたので、安心して再度ゴール地点に向かいます。ゴール地点に近づくにつれて、沿道からの応援は大きく、力強く感じられます。ゴール付近には、家族や友人と思われる人々が大勢詰めかけていました。そんな最終地点を目指し、次々とランナーが戻ってきます。やはり何人かは力を使い果たして倒れる人もいました。ゴールで待機していたドクターなど、救護サポーターの皆さんがそんな人たちを的確に保護していきます。

積極的に声をかけてくれる人がいる、十分な知識をもった医療の専門家がいる、そしていざというときのAEDもある。そんな環境のおかげで、安全に楽しめるマラソン大会が無事に終り、本当に良かったと、改めて思いました。

ここにも注目! ~ こんなこともありました ~「ファーストエイド講習」に参加しました!

大切なのは「アクションを起こす人を増やす」こと

ファーストエイド講習の様子

京都マラソンでは、いざというときに救護スタッフが到着するまでの間、心肺蘇生やAEDの使用等を率先して行い、救護スタッフをサポートする「ファーストエイド・サポーター」と呼ばれる方々がいます。この方たちは、本マラソンを裏から支えようと自ら手をあげて参加されたランナーやボランティアの皆さんです。サポーターになるには、適切な救命活動を行えるよう1年以内に救命講習を受けていることが条件ですが、講習を受けたことがない人でも、京都マラソンの前々日と前日に開催される「ファーストエイド講習」を受けることで誰でもサポーターになれます。これまでも簡単に取りあげたことはありましたが、今回はより深くその中身をご紹介したいと思います。

行動を起こすことの重要性について熱く語る京都橘大学の夏目先生

同講習会で講師を務めるのは、愛知県内の消防署で救急隊長を務めていた経歴をもつ、京都橘大学の夏目美樹先生です。講習直前のお忙しいなか、お話を伺うことができました。実は夏目先生、昨年、一昨年も同講習会で講師を務められており、どちらも拝見していたのですが、実は少し気になっていたことがありました。それは、これまでに見てきたほかの講習会と違い、夏目先生は対処法などをあまり細かく説明されていなかったように感じたのです。このことについて、思い切って先生に質問をぶつけてみると、ちゃんと理由がありました。

先生によると、1時間程度の講習では、細かい技術まで覚えてもらうのはムリ。そのため、もっと大切な「救命に際しての心構え」を、お土産にもって帰ってもらうことを主眼にしているというのです。たとえば、正しい救命術を覚えてもらうためにダメ出しをしてしまうと、心が折れて「何かをしよう」という考えがなくなってしまう人もいるかもしれません。救急救命の現場では、ためらわず、1秒でも早く対処するということが重要なので、「何はともあれ行動する」気持ちが大切。そのためには、「自分もできた!」という「成功体験」をしてもらうほうが大事とのことでした。

「対処できる人が増えれば救命率が上がるのはハッキリしているので、まず倒れている人に近づく人を増やし、周囲の人をできるだけ多く巻き込む環境を作りたい。そういうアクションを起こしてもらえる世の中にするための講習でもある」というお考えをもつ夏目先生。そこで先生は、あえて簡潔に1時間ほどで教えられる内容に絞った「コンビニ講習」とでも呼べる講習会を心がけているといいます。

楽しい「コンビニ講習」で自信をつけて本番に臨む

心肺蘇生の効果を示すグラフ。AEDを併用することで救命率が大きく向上することがわかる

そんな先生の講習を受けてみたいと思い、実際に参加しました。スライドを使った概要説明も先生のお話は具体的でわかりやすく、そして話術も巧みで楽しく拝聴することができました。心停止のリスクと胸骨圧迫+AEDの効果救助開始までの時間と救命率などが説明され、ここでも、一刻も早く対処することの重要性が説かれました。そこで誰もが気になるのは、もし救命できなかったときに、法的責任を問われないかでしょう。これについても刑法第37条と民法第698条をあげて説明されていました。それによると、緊急時の救命処置については、悪意のある行為などでない限り、その責任は問われないので、ためらわず救命に取り組んでほしいとのことでした。

本番に備え、トレーナー機でオムロンAEDの使い方を学ぶ

心停止に関する概要説明が終わると、次は胸骨圧迫の仕方とAEDの使い方を体験します。ここでも、「素早く行動に移ること」「できるだけ多くの人を巻き込むこと」にポイントを置いて説明されていました。「息をしているのか、していないのか、どっちだろう?」と判断がつかなければ、「息をしていない=心臓が動いていない」と判断して行動する。「人工呼吸できるかな?」と迷うくらいなら、胸骨圧迫など、「まずできることをする」。このように、行動までに時間をかけないということを強調されていました。

講習が進むにつれ、参加者も大きな声が出るように

こうした難しそうな説明も、先生がおもしろおかしくお話しされていたので、会場はとてもリラックスした雰囲気に。助けを呼ぶ際に出す声も、徐々に元気に大きくなってくるなど、「とにかくやってみる」という空気に変わってきました。これが先生のおっしゃる「成功体験」でしょうか。皆さんも自信満々の表情。これなら明日の本番で何が起きても対処できそうです。今後もこうした人が世の中に増えていくといいですね。

AED導入のお申込みはこちら

Webからのお問い合わせ
お問い合わせはこちら
お電話でのお問い合わせ
通話料無料 0120-401-066
© OMRON HEALTHCARE Co., Ltd. 2016. All Rights Reserved.
お問合わせはこちら